古民家のゴミ出しと家屋の確認について

古民家リノベーションの最初の工程は設計だと思います。
予算と時間を決め、将来どのような間取りにするかを検討し、品質を加味した上で外注するかセルフリノベを行うかを決めていきます。
(以下文の工程全てに置いて私はまだ入っていません。)

次の工程は荷物とゴミ出しです。佐久穂町では今となってはもうゴミ、のようなものを「ごったく」と言います。
「うちの空家は人に使ってもらってもいいんだが、ごったくが入ってて中々使う人も現れないだろ」みたいな感じで使います。
この「ごったく」にはゴミと思い出が入り混じっているだけに空家の利活用が促進されない、という側面を持ちますが、そこはまた別の場面で話します。

ゴミを外に出したら、処分方法を検討します。大きく分けると「自分で分別して家庭ゴミとして処理」するか「業者を呼んで、重さあたりいくらで回収してもらう」の2通りがあります。
もちろん自分で分別した方が安いですが、その分時間もかかります。
更に、自治体ごとに分別方法やゴミの出し方が異なるので注意が必要です。
また、多くの空家は区費を払っていないことから最寄りのゴミステーションに出せない可能性があります。
空家はほとんどがゴミの片付けが主な作業となると言っても過言ではありません。
その点は、また別の場面で説明します。

部屋の中が片付いたら、襖と畳を外していきます。
経年から家屋が傾いている場合があり、襖が外れない場合もあります。
その時は、下の鴨居を足でドンドン踏んでみたり、上の鴨居を上側に叩くと少し隙間ができたりしますので、その隙に取ることができます。
畳を取るのは、畳が汚れないようにするためでもありますが、空家にあるような長い時を経た畳はほとんど使うことができません。
これが藁床の畳ならなおさら、と言われるでしょう。いろんな人に。
「藁床の畳にはダニ類の虫が入っていて、アレルギーを起こす可能性がある」と言われるかもしません。
ただ、佐久穂町で注意するのはダニが入っているわけではなく、ダニの死骸が入っているかもしれない、というとこです。古民家のような隙間風ビュービューで冬の寒さが半端ないとこでは、冬が来ると畳の中の虫は凍死してしまいます。
ある程度の機密性を保持した家の畳の方が、ダニ類は繁殖しやすいかつカビが発生するので、カビ臭い畳になります。
だから何だって話ですが、古い畳は結構使えないって話です。しかも捨てづらいって言う厄介キャラです。

襖と畳が取れたら構造的に重大な欠陥がないか確認します。
古民家を扱う時点で、可能な限り昔の状態を維持したいと思う方が多いと思います。
となると、大丈夫とこは出来るだけ手を加えない方が良いです。
まずは床下の土台です。チェックポイントは、地盤沈下、湿気による腐敗、シロアリ被害になります。
古い家は床下が人が入れるくらい広い場合があるので、行ける時は勇気を持って入りましょう。
以前にシロアリの業者を呼んで床下の調査してもらいましたが、要はライトと勇気を持って床下に入り込んでいました。
黒澤新宅は一部の土台がねじれ切れていました。これは掘りごたつの石を後置きした際に土台を削ったものだと思われます。なので、土台から張替えを行います。

次は根太ですが、床が平らであれば根太は問題ないでしょう。
古い家の中には、「こんな木っ端みたいな材でいいの?」って根太がありますが、要は平らならいいんです。職人技だと思いましょう。

床は張り替えることが多いと思います。
畳からフローリングにする場合は高さ調整が必要になります。
床だけ畳(60ミリ)からフローリング(15ミリ)にする場合は、45ミリの野縁か何かを引いておく。と言った感じです。

屋根は最初の段階でも確認できますが、雨漏りがないかは屋根裏に入って確認してみましょう。
雨漏りは結構致命的で、屋根の張替えが必要か一部修繕で良いかで違いますが、全張替えの場合は費用がギュンギュン上がってしまいます。
また、雨漏り箇所は腐敗している可能性が高いので、序盤によくよくチェックすることをオススメします。
黒澤新宅の屋根はオーナーの好意で総張替えが完了しています。張替え前は屋根からシロアリが侵入している蟻道がありました。

この他に、断熱材をどうするかって話があるんですが、そこはまた別の機会に。。
次は何を壊していくかの工程になります。

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