漆芸実践講座第4回レポート

漆芸実践講座第4回を実施しました。
今回が最終回です。

今回作成する物と第3回の進捗具合を復習

小皿:やすり→生漆の拭き漆のルーティン3回目を完了。
スプーン小:ベンガラ赤を混ぜた漆で中塗りを完了
箸:漆を塗った後に炭の粉の粒子を揃えたものをまぶした。
ぐい飲み:やすり→顔料の赤を加えた漆で拭き漆をやった
スプーン大:やすり→顔料の赤、顔料の黒を加えた漆でそろぞれ拭き漆をやった

さてさて、今回が最終回となる漆芸実践講座です。
既に拭き漆の基本ルーティン(やすり→拭き漆(塗り漆)→乾かす)はマスターしています。
今回は、塗りの方を仕上げるんですが、、、

ここでまたカルチャーショックというか、工芸というか、やっぱり芸術なんだな、と改めて思わされるわけであります。
最終回にしてどんなカルチャーショックが起こるのか、乞うご期待。

拭き漆の仕上げ

小皿、ぐい飲み、スプーン大の拭き漆勢に最後の拭き漆をやっていきます。
ここまでくると「いつをもって完成とするか」という自分との勝負になるようです。
要は、まだ足りなければルーティンを繰り返せば良いのです。

やる事はいつもと変わりません。
ただ、最後はきれいなふき取りの紙を使う事と、最後まで拭きとらない事が大事なようです。
漆がわずかに紙につくか、つかないか、全部ふき取ってしまっても、まぁ良いけど。
という微妙な塩梅です。

またやり直せば良いのですが、この段階に来て、素人の仕事っぽい所が出やすい所が分かりました。
小皿の縁のところや、段差のところです。
やすりで触りやすく、紙で拭く時も力が入りやすいところは、周りに比べて少し色が乗りません。
「これも味です」
と先生は優しく言ってくれますが、なるほど、何も考えずないとこうなるのか、と分かりました。

塗りの仕上げ

さて、次はスプーン小と箸の塗りの仕上げになります。
塗りは複数回行います。
下塗り、中塗り、上塗りが基本です。
塗り重ねる事で綺麗になる(凹凸がない)のに加え強度が増します。

今回は塗りの最後なので上塗りになります。
では、上塗りはこれまでと何か異なる事をするのでしょうか?

正解は、ばりくそ違う事をします。
上塗りで違う所、それは埃を入れないようにする気合MAXな所です。
この気合の入れようが、芸術家とそうでない人でギャップがある所です。

ちなみに、上塗り前のやすりがけで使うやすりは、市販の物ではなく何たらの炭を細かく砕いた物を使用します。
この辺りの「道具を自分で探す」感じ、ここも私の中ではギャップでした。

埃とは

埃と聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
部屋の隅に集まっているアレでしょうか。あんなもんは埃ではありません、そんなんもうゴミです。
ここで言う埃とは、塵と言っても良いです。
身体についても気にする事ない、口や鼻の中に入ったとしても、身体の仕組みで外の出されるくらいのレベルのアレが埃です。

この埃を私の人生で一番意識したのは、スマホやiPadの画面にシートを付ける時です。
どれだけ注意してもなんか小さな埃が入ったりするじゃないですか。
そりゃそうだ!だってよく見たら空気中に舞ってるもんね!

と、それでも諦めずに指とかヘラとかで空気を外に出す時に、よく見たら入っているアレ。
アレが埃です。
どれくらい小さいか分かりましたか?
今回は、そいつらとの戦いになります。

埃禁制の部屋に入る

まずは、上塗り専用の埃禁制の部屋に入る、、、前に体中を粘着ペーパーでコロコロします。
着る物もできればシャカシャカしたものが良いです。
頭も手ぬぐいで髪の毛をしまっておけば、手ぬぐいをコロコロで埃を落とすことが出来ます。(髪の毛にコロコロすると絡まるぞ!!)

コロコロが終わったら部屋に入ります。
部屋の中は余計な物は置いておらず、塗るための作業台と乾燥させる棚があります。
空調が動いているほか、一定間隔で木地をひっくり返す機械が定期的に作動しています。

さて、ここから上塗りをする、、、かと思いきや、まだまだ埃を追い出していきます。

埃を追い出す

部屋の中に持ち込んだもの全てに埃がついていると仮定して埃を落とします。
部屋に持ち込んだものは、
・自分自身←コロコロで埃取った
・漆を載せるまな板(ガラス)
・塗る用の漆
・塗る用の刷毛
・木地

この全てから埃を取ります!!

ちょっとブレイク
埃を取らなかったらどうなるの??

埃を取らずに上塗りをした場合、塗った後に極細の筆で1つずつ埃を取る作業が膨大になります。
小さいスプーン3本だとそれほど大変さは伝わりませんが、漆は箱や机など大きの物を扱う場合もあるし、お椀を数セットと数量が多い時もあります。

例えば、目の前のディスプレイの電源を落として、黒画面にどれだけ埃がついているかを見てみて下さい。
この埃を1つずつ筆で取り除く作業をする大変さを想像すると、最初に気を付けて埃を除去する理由が分かると思います。

ではまずは、まな板から。
アルコールなどを含んだ布で綺麗にしていきます。

次に漆
今回、先生が購入した木から取り出したまんまの漆を見せて貰いました。
ん~なんか色々入ってそうな感じです。
そりゃそうだ、木の表面をカリカリして取ってますからね、ちょっとこすくらいでは埃も入るでしょう。
なんてったって、今回の埃は小さい。

漆に赤い顔料を混ぜまたものを、例の和紙を2重にしてくるくる回してみます。
これを2回やります。
なんという時間のかけかた!

次に刷毛

綺麗にした漆を使って、刷毛の突き出しをしていきます。
突き出して、突き出して、突き出して、突き出す。
まな板に漆を伸ばしてみて、埃が無かったら良し。

最後に木地

これにはなんか専門の筆?のようなものでサッサとします。
この辺りになると、もうほとんどおまじないみたいなもんで、取れているのかも正直分からん。
あ、ここまでの動作、もちろん埃をたてないように最小限の行動でやっております。

はい、ここまでやって埃の除去が終わります。

上塗り

さて、いよいよ上塗りです。
ここまでの慎重な埃除去の手順を教えてもらいながらも、木地の埃取りを忘れるという凡ミスをします。
埃取り筆で漆を塗った後に埃を除去していきます。

こんなに細かい所に目のピントを合わせたのはいつぶりだろう。
ミリ以下の物を見て、筆を動かす。
ピンと合わせるのが難しくて、木地を目に近づけた方が良いのか遠ざけた方が良いのか分からないほど。
というか、手が震えてうまく取れない。。

という、ミスをしながらも小スプーンに赤い漆を塗っていきます。
スプーンにはくびれや丸みがあるので、厚くなったり薄くなったり、難しいものです。
塗り終えたら土台ごと、乾燥室に入れます。

最後に箸も登場。
炭粉の上から赤い漆を塗っていくんです。
ザラザラした上から漆を塗る、赤くなっちゃったけど、乾いたらどうなるのか、まだ分からない。。
箸はどのようになるのか、乞うご期待です。

という感じで、上塗りが終わりました。
上塗りは、非常に緊張感がありますので、部屋を出るとドッと肩から力が抜けるのが分かります。
この作業を、大きな木地だったり、大量な木地に行うのは、心身への疲労が大きいと思います。

全4回の漆芸講座が終わりました。
と言っても、まだ乾かすのと箸の長さを決めるとかあるんです。
乾かすのも温度と湿度の管理が必要なので、私がやったのは、やすり→拭き(塗り)の部分だけです。
やってみての感想、思ってたんと違ったことはまた別に掲載します。

さて、どんな風に仕上がるんですかね~