パブリックコメント第2段

調子に乗って、パブコメ第2段を提出しようと思います。
前回は「人口を増加させよう!」っていう攻めの戦略(抑制策)について、具体的に いつ・何を・どれくらい にするのかを提示した方がいいよね、って事を書きました。
今回は「人口減少にあわせて社会を最適化しよう」っていう守りの戦略(緩和策)についてを書きました。
どっちも大切な戦略なんですが、第3期戦略ではこの守りの戦略が新しく追加されているのです。
新しく追加されたのに「コミュニティ創生戦略って名前で良いの?ミスリードじゃない?」ってのが今回の主旨です。
では行ってみましょう
パブリックコメント:戦略名とサブタイトルを考え直した方が良い
はじめに.レイヤーごとのコミュニティの在り方を再考すべきではないか
第3期戦略では、人口減少の「抑制策」に加え、その影響を軽減する「緩和策」が新たに加えられました。
抑制策:出生数の増加、移住促進、健康寿命の延伸など、地域の人口を増やす、維持するための取り組み。
緩和策:デジタル化や効率化を進め、人口が減少しても社会機能を維持できるようにする取り組み。
この両者を比較すると、抑制策は「新たなコミュニティの創生・活性化」を促進するものであるのに対し、緩和策は「既存コミュニティの維持」に重点が置かれていることが分かります。
ここで問題となるのが、「コミュニティの維持」を目的とする戦略の持続可能性です。
1.コミュニティの維持を目的化すると、行政負担が増大する
コミュニティは本質的に有機的なものであり、新しいものが生まれ、古いものが消えていくのが自然な流れです。この結果、コミュニティは多様となります。
佐久穂町の全てのコミュニティを計測することはおそらく不可能でしょう。
しかし、第3期戦略では「既存コミュニティの維持」が重視されており、これを行政が支援する形になると、持続可能性が失われるリスクが高まります。
実際、区や常会、クラブ、サークルといった多くの地域コミュニティが高齢化により消滅の危機に直面しており、その数は今後さらに増加することが予想されます。
行政がすべてのコミュニティ維持を支援することは非現実的です。かつ、職員のリソースは限られており、すべてのコミュニティを支援することは不可能です。
統制の取れないままコミュニティの維持を支援した結果として、機能を果たさなくなったコミュニティが形だけ存続し、行政の負担を増大させる「形骸化したコミュニティ」が大量に発生する可能性があります。
2.「コミュニティ創生戦略」の名称が誤解を生む
本戦略のタイトルは「佐久穂町コミュニティ創生戦略」となっています。
しかし、第3期では「新しいコミュニティの創生」だけでなく、「既存コミュニティの維持」が戦略に含まれています。
住民の多くは戦略の詳細まで読まず、戦略名とサブタイトルだけを見て内容を判断する可能性が高いため、このタイトルのままでは「コミュニティはすべて維持・支援されるべきものだ」という誤解を生む危険性があります。
このため、戦略の趣旨を正しく伝えるためにも、戦略名とサブタイトルを再考すべきです。
そもそも、第3期戦略案の現状サブタイトルは、住民の目に止まりやすい場所にあるにもかかわらず、理想的な町の姿を提示するにとどまり、戦略の内容と直結していません。
3.すべてのコミュニティを維持するのではなく、「維持すべきコミュニティ」を明確化する
人口減少が進めば、ほとんどのコミュニティが人材不足に陥り、「コミュニティ創生戦略」に基づいて町に支援を求めてくることが予想されます。
しかし、すべてのコミュニティを支援するのは現実的ではなく、優先順位をつける必要があります。
- 維持すべきコミュニティを特定し、内部的にでも明確な基準を設定する。
- 維持の可否を定期的に見直し、必要に応じて統合・再編する。
何を維持し、何を手放すのかの基準を明確にしないと、行政リソースの枯渇につながるだけでなく、地域全体の持続可能性も失われます。
4.「創生」と「維持」のレイヤーを分け、それぞれに適した戦略を設計する
第2期までは、「新しいコミュニティを創出すること」が主な目的でした。
しかし、第3期では「既存のコミュニティを維持する」レイヤーが追加されています。
この2つのレイヤーは、それぞれ異なる性格を持つため、「創生」と「維持」を同じ枠組みで考えるのではなく、それぞれに適した方針を設けるべきです。
- 創生のレイヤー(抑制策)では、「何を生み出すのか」が問われる。
- 維持のレイヤー(緩和策)では、「何を残すのか」が問われる。
これまでの戦略では、「創生」の観点から「何を」の部分が曖昧でも成立していました。
しかし、今後は「維持」が加わることで、「何を」支援するのかを明確にしないと、行政負担が増え続け、戦略が破綻する可能性があります。
5.終わりに
佐久穂町のコミュニティ創生戦略は、新しいフェーズに入っています。
この事を認識し、住民が認識してしまう戦略名とサブタイトルにするよう、ゼロベースで考え直してください。
最後の方が投げやりになっちゃったけど、こんな感じです。
攻めと守りの両方の戦略でパブコメ出してみましたが、私はどうやら「文字面」って所にフックがあるようです。
最近、AIばっかり使っているんですが、AIを使えば使う程、人間の認識ってかなり雑だな!って事に気付きます。
どれだけ頑張って論理的に感情抜きで考えようとしても、好きな物の方が良く見えちゃうし、直前に見た単語が知らず知らずのうちにその後の文章に影響してたりするのです。
ゆえに、資料のうち大きな文字のところをちゃんとしましょうよ!って発想になるんだと思います。
まぁ、ほとんどの人は資料の全文なんか読まないで、タイトルくらいしか読まないっていう面倒くさがり屋さんだって事も考えています。
私も興味ない文章なんて読まないです。タイトルだけ見て、興味あるかどうか判断しちゃいます。
ただ、こういった戦略を作るのってつくづく大変だと思います。
何が大変って、コンセンサスを得る行為です。
認識を合わせるのは、2人でも大変なのに、大勢になったらほとんど不可能になると思います。
簡単にコンセンサス取れるのは、現在のコンセンサスを統一するコスト・リスクよりも、はるかに大きなリスクが顕在化する(例えば侵略者が来て略奪されちゃうとか)時くらいなんでしょう。
外部の大きなリスク・コストが顕在化しない限り、現状維持っていうコストが低く"見える"選択をするバイアスが強く働いてしまいます。
これは、頭が良いとか悪いとかの問題ではなく、意思決定をする理由とか判断するレイヤーとかが変わったにも関わらず(最近は「にも関わらず」がお気に入り)意思決定の方法が変わっていない構造的な事がうんたら~
ってな事を思い、作る方も大変だよなぁ、本当に頭が下がるなぁという気持ちになっています。
と言うわけで、今回のパブコメ作ろうは終了しました。
よくよく見たら、他にも事業に対するパブコメがあったようなので、私は何でもかんでもパブコメしていく謎の住民(佐久穂AI)になって行こうと思います。